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密かに新ワイナリーとして加わっていたアルト・アディジェ州ボルツァーノ・プランツェッグをご紹介!!


2019年に密かにトレジャーのカタログに名を連ねていたアルト・アディジェのプランツェッグ。主に2018年6月に初訪問した時の事を振り返りながら紹介していきます。あらかじめお伝えしますが、セーテの時と同じく文章長いです。それほどプランツェックのワインとの出会い、山々を望むボルツァーノの美しい町並みは僕のイタリアワイン人生に大きな期待と幸福を与えてくれました。本当に素敵な町だったので新婚旅行先の候補にしたいと思います。

さてこのプランツェック、トレジャーカタログをご愛読頂いている方々はちゃっかりと気付いていたかもですが、現在まで試飲会出品や案内など一切行っておりません。その理由は入荷したてのワインを試飲してみて、まだ寝かせておきたいと感じたからです。もちろんその時でもワインは美味しく、本当に素晴らしい生産者だと思いました。でもどこかおとなしい状態。このワインは正直安くはありません。希少な生産本数のワインを現状のおとなしい状態で試飲会等に出して、価格に見合ってる、見合っていない、といったコスパの面でドライに評価をされるのは悲しいなと。このまま紹介したら高確率でそうなるなと思い、半年~1年くらい寝かせてみよう、と決断しました。僕が訪問した時の感動と興奮がまだ鮮明なうちにカタログの文章を起こしたかったので入荷のタイミングでカタログラインナップには加えました。ただ、上記の通り営業活動は無し、問い合わせやオーダーを希望してくれた方にはその旨を伝え、それでも欲しいと言って頂いた方々には販売させて頂きました。そうした中で元々入荷本数の少なかった一部のワインはほぼ完売していきました。

日本に届いてなんだかんだ1年ということで、つい先日少しだけ残っていた初回入荷VTのワインを試飲をしたのですが明らかに状態は上向いていました。正直これからまだまだ良くなると思いますが、現状でも本当に美味しいと感じました。個人的にプランツェックのスキアーヴァはベストスキアーヴァです。今月いよいよ新VTが日本に届きます。今回は前回よりもしっかりとした本数を輸入できたので、皆さんに改めてご紹介したいと思います。

カンティーナから見える美しい畑、アルト・アディジェ特有の急斜面に天井のあるような仕立てです

プランツェックはボルツァーノの町からかなり近い場所に畑を所有しています。待ち合わせはボルツァーノの駅。迎えに来てくれたのは奥さんのマリアとご高齢のお母さん。こちらはいつも通りイタリア語(もちろん通訳頼みですが…)で会話をしていましたが、このマリアとお母さん2人の会話の時は常にドイツ語でした。こういったところがアルト・アディジェがイタリアの中で少し特殊なエリアなのだと再認識。途中お母さんは買い物があるそうでスーパーのようなところで下りて行きました。そういえばちゃんとお迎えしてくれたのかな?…ボルツァーノの町から車で15分~20分ほど山道を上っていくとカンティーナに着きました。直線距離で言うとかなりボルツァーノからかなり近くて驚きました。まさにヴァッレ・イザルコの入口のような場所です。

畑は大通りに近く実際に見下ろす事ができるような距離

ボルツァーノの町もちょこっと見えます

写真の彼がプランツェックの現当主マルティン。基本的に彼が畑と醸造の全てを管理しています。この日は朝一の畑仕事を終えて来客用の部屋に来てくれました。ハードな畑仕事の後で少し疲れた表情。挨拶をしてプランツェックを知った経緯などを軽く説明。そして彼のワインにとても興味があると強く伝えました。彼はなかなかクールな性格なのか、畑仕事で体力失い気味なのかトーン低めでリアクション薄め。イタリアのイメージである"陽気で明るい"という感じではなく、常に冷静で落ち着いた雰囲気で、僕たちがどういう会社なのか、どんな考えがあるのか、日本でナチュラルなワインはどういう受け止め方をされているのか、などを淡々と質問してきました。今まで訪問した若い生産者達は最初からけっこう歓迎ムードで明るいトーンの人達ばかりでしたが、彼は少し違います。とても慎重なイメージ。やや緊張感のある空気が部屋に張り詰めるなか、マルティンが「今日は蒸し暑いから水分をたくさん取らなくてはいけない」と言いながらコップの水を飲み干し、僕等にも水を勧めてくれました。このやりとりで少しだけ一息…ふー痺れる時間だ。

今度はこちらから彼らがどんなワイナリーなのか質問をしました。

マルティンはこのワイナリーで3代目の当主です。約80年前に祖母が"マーゾ"を購入。このマーゾとはアルトアディジェでのワイナリーの呼び方。ドイツやオーストリアの文化で、購入した畑は代々引き継ぐシステムで組合に管理されています。例外もありますが、基本的には所有する家族の長男が必ず引き継がなくてはいけない、という特殊な伝統文化です。

マルティンは2001年くらいからワインを造り始めました。だいぶ小規模でしたが現代的で安定的な醸造を行っていました。バリックも使っていたしフィルターもかけていた、そして輸出受けする流行りに合わせて国際品種を植えていました。ですが畑は父の代から農薬だけは使用されていないオーガニック栽培でした。父は栽培している葡萄はほとんど組合に販売していたそうです。マルティンも最初は同じことをしていましたが、ただそれが良いことだとは思えなかった