Siciliano シチリアーノ
ドクターが生み出す無添加のエトナワイン
イタリア シチリア州 カターニャ マルケーザ
シチリアーノはロッコとマリーザ夫妻が経営するエトナの小さなワイナリーです。
夫のロッコは現地でも評判のドクターで、妻のマリーザは神聖ローマ帝国国王のフリードリヒ2世の子孫にあたり、シチリア王国最後の女王の血筋でもあります。
1981年の3月に起こった、ランダッツォ付近の栗林を覆い尽くしたエトナ山の噴火の後に創設されました。
オーナー夫妻のロッコとマリーザは当時別の場所に家を建てようと考えておりましたが、覆われた栗林と家を建てようとしていた土地を交換をしたいと思い、ソリキアッタとパッソピシャーロの中間に位置するマルケーザに土地を手に入れました。
元々は、樹齢90年の古木から葡萄栽培を行っていましたが、不幸な事にその木にはもうエネルギーが無く、収穫も極僅かな物でした。
そのような状態で葡萄栽培に悩んでいた時期に、1996年に「シチリア地方組合」という機関が行うエトナ山周辺の畑を調査する団体から、彼らの畑を試験的な場所として使用したいという提案がありました。ロッコとマリーザはその申し出を受け入れ、古木から新たなブドウの木に植え替える決断をしました。
新たに植えた葡萄品種は土着のネレッロマスカレーゼとカリッカンテ、土着品種では無いピノネロとシャルドネも植えました。
機関も絡んだ試験的な栽培の為、極少量の生産をしています。
試験的栽培からしばらくはワインに亜硫酸を加えた醸造を行っていましたが、アレッサンドロ・ヴィオラの自然なワイン醸造に共感し、彼に醸造を新たに教えてもらいながらSo2無添加のワインに転換を行い、畑でも必要な場合のみボルドー液を使用するのみのオーガニックな栽培を行っています。
アレッサンドロとは彼がエトナのパトリアというワイナリーの研究員をしていた時に出会いました。若い彼を夫妻はとても可愛がっていたようです。アレッサンドロも自身のワイナリーがあり多忙な身ではありましたが、良くしてくれていた夫妻の為に、こころよくオファーを引き受けてくれました。
アレッサンドロが醸造を見ていることにより、彼らしい穏やかで柔らかい飲み心地もありながら、エトナの個性にうまく融合をさせています。
その中でもピノネロは素晴らしい出来栄えで、イタリアのピノのイメージが変わるような秀逸なワインです。
ノンナ・アウレリア・ビアンコ
当主の祖母であるアウレリアおばあちゃんの名前が付けられたエトナビアンコ。9月中旬に収穫された葡萄をステンレスタンクで自然発酵。
マセラシオンを3日行います。発酵後に栗のトノーで熟成。
果実のエキスが詰まった芳醇なワインです。
●カリッカンテ100%
蜜の独特の香り。ほのかにパイナップルやドライハーブの香りも合わさります。
少しトロッとした豊潤な果実味とミネラル感。ほんのりタンニンと塩気が感じられ余韻も残ります。全体的に丸みを感じる質感ですが、中心に酸味があり味わいを崩しません。
トレッタネーラ エトナロッソ
10月下旬に収穫された葡萄をステンレスタンク内で自然発酵。マセラシオンを8日間行います。発酵後、60%をステンレスタンク、40%をオーク樽で熟成され、ノンフィルターでボトリング。So2は完全無添加です。フレッシュなフルーツ香と芯のある果実味が魅力です。熟成後がさらに楽しみなワインです。
●ネレッロ・マスカレーゼ90%、ネレッロ・カプッチョ10%
カシスリキュールのような強い香りがあり、フレッシュな葡萄の風味がグラスの中一杯に充満します。樹木や土を思わせるビターな香りなど次第に複雑な雰囲気に変化していきます。
厚みのある濃い果実味。酸はまろやかで豊潤なミネラル感が詰まっています。芯のある味わいでフレッシュな美味しさが楽しめます。
ロッソ・ユーフォリア
エトナ産の樹齢30年のピノネロ種を使用して醸されたワイン。驚くほど洗練された味わい。9月下旬に収穫された葡萄をステンレスタンク内で自然発酵。マセラシオンを10日間行います。発酵後に古いバリックで熟成され、ノンフィルターでボトリング。So2は完全無添加です。イタリアのピノネロの中では飛びぬけた魅力を感じるワインです。
●ピノネロ100%
甘いチェリーの強烈で非常に華やかな香り。イタリアのピノネロ特有のジャムや杉のような強い香りは無くとてもエレガント。洗練されたピノの魅力が溢れてきます。
ピノらしいとてもしなやかな質感で滑らかに口の中に繊細な果実味が広がります。ですが、自然な醸造ならではのダシ感、エキス感もしっかりと詰まっており旨味を存分に感じる事ができます。非常に情報が詰まった味わいですがスルスルと飲める柔らかさが素晴らしいピノネロです。