Az.Agr.SETE セーテ
青春の輝きのようなまばゆい魅力をもったナチュラルなワイン
イタリア ラツィオ州 ラティーナ県 プリヴェルノ


ローマから南に100kmに位置する町プリヴェルノ。ローマとナポリのちょうど中間、海と山の間に位置するこの小さな町で、限りなく自由で自然なワインを造る若き造り手がセーテです。2013年に始動したセーテはレ・コステで仕事経験のあるリーダーのエミリアーノと、友人のアルカンジェロ、そして紅一点のマルティーナの3名で構成されています。セーテはプリヴェルノの町と自然を心から愛し、その郷土愛、再生と発展を目指す情熱、そして共にセーテというプロジェクトに関わる3人の強い友情から生まれたワイナリーだという事です。まだ30歳前後の彼等からは青春を謳歌するような瑞々しさと輝きを感じます。そしてそれらがエネルギーとなり、自然で極上の飲み心地を持つ彼らのワインに映し出され、まるで青春の輝きのようなまばゆい魅力を持ったナチュラルなワインです。これが初めて彼等に会い、ワインを飲んで感じた率直な感想でした。
彼らの町プリヴェルノはレピニ山脈が近く、周りを山に囲まれています。畑はアマセーノ川の谷にあり、葡萄も少ないながらも昔から栽培されており、畑は多数存在していましたが、うまく代替わりできずに多くの手入れ無しの畑が残されていきました。中には樹齢の高い貴重な樹もあり、セーテはこの残された畑や自然などを、ワイン造りを基に再生させることを主な目的とした、農業・社会・文化的なプロジェクトとして活動を開始します。


リーダーのエミリアーノは2010~2012年の3年間ラツィオのナチュラルワインの象徴とも言える先駆者グラードリの"レ・コステ"のジャン・マルコ氏の下で働きます。レ・コステでの経験は非常に濃密でした。レ・コステを退職し、これからの自分の生き方を考えていました。
そんな中、町のパブで飲んでいる時に現メンバー、アルカンジェロ&マルティーナと出会います。
出会いの場所はパブ。なんども酒を酌み交わし、エミリアーノの影響からアルカンジェロ達もナチュラルなワインに自然と魅了されていきます。そしていつしか共通の夢を思い描くようになります。
"3人でこの町でワインを造り、畑や自然の再生と発展を目指す"、という目標が生まれました。まるでバンドのような熱い展開。
畑やワイン醸造の経験があるエミリアーノを中心に、親族や知り合いの小さな畑を借りて彼らのプロジェクトが2013年からスタートします。2017年から醸造したワインの販売も始まり、ワイン業界にデビュー。
このエリアは多量の赤土を含有しているのも特徴で、赤土は柔らかくほぐれやすく、根が張りやすい
ため地中深くまで届きます。そしてここの土には多量のケイ素を含んでおり、存在感のあるミネラル
に大きく影響しています。
親族や知人から借用している畑は、農薬などが使用されていない健全な畑でした。
仕立ては主にぺルゴラ仕立てで少し背が高い仕立てになっており、葡萄の樹と一緒に様々な果樹が
植えられています。樹齢の高いピエドフランクの樹もあります。フィロキセラは根の張りがまだ浅
い若い根を好み、地表8~9cmに付着し活動と繁殖を行い養分を吸い取ります。彼らの畑の一部は赤
土のおかげで根が地中深くに伸びる事によりフィロキセラ菌の被害を免れた貴重な樹なのです。
ビオディナミにも関心があり、導入も検討していますが、あくまで自分達のエリアの特性、状況をみ
てそれらの為になる仕事を第一に考えています。畑の作業は主にアルカンジェロが責任を持って行っ
ています。
彼らの醸造はSo2、酵母、砂糖、温度管理、フィルターなどは一切行いません。
まずは健全な葡萄を用いる事、そしてカンティーナと醸造器具、移し替えやボトリングのホースなどに至る全ての徹底的な洗浄を行う衛生管理が大切なのだとエミリアーノは言います。
ワインの味わいはとにかく軽やか。それでいて口の中をただ通り過ぎる軽さではなく明確な"味"と"旨味"があります。
通常9~10月の雨が非常に多いエリアなので8月末には収穫、そのため糖度は高く上がらないのがエリアの特徴としてあります。
エミリアーノはプリヴェルノを「偉大なワインは生み出せないエリアかもしれない」と言いますが、「でもここで仕事を始められた事は逆に幸運だった」と言います。それは彼らの好きなワインが優しく軽く美味しくあることだったからです。
この地域のテロワールに逆らうのではなくシンプルにプリヴェルノの"軽い"という特性を追求するワイン造りに集中しています。
極上の飲み心地と表現できる彼らのワインはイタリアに於いて希少なタイプのワインだと断言します。
まさに"SETE"="渇き"というワイナリー名通りに飲み手の渇きを存分に癒してくれるワインです。
彼らのワインのラベルもまた魅力的です。
エミリアーノの友人のデザイナーが各ワインに合わせて描き、それをエミリアーノの兄イバンノがグラフィックで加工しています。
初めてセーテと出会った日、最後の方でエミリアーノが「色々な人生の選択があると思う。この町を出て行く若者はとても多い。でも僕たちはこの町に残り生きていくと決めた。その意志を貫きたい」と真剣なまなざしで語ってくれました。
彼等からはワイナリー運営に対する覚悟、そしてもっと成長していかなくてはいけないんだ、という必死さがビシビシと伝わってきました。非常に真剣で必死なのに、それでも彼等はまるで音楽を愛してバンド活動をしている若者のように、ワインと畑を愛し、楽しんでプロジェクトに取り組んでいるようにも見えます。彼らのプロジェクトには困難や不安もたくさんあるでしょうが、3人だからこそ強くなれる部分も大きいのかもしれません。
頭でも言いましたが、彼らのワイン造りを行う姿からは青春を感じます。若さや軽快さ、青さ、楽しさ、それらがワインに絶妙なアクセントを与えているのだと思います。純粋で陽気で、それでいて熱いSETE。彼らのワインを飲めば彼らの人生の輝きをきっと感じてもらえるでしょう。そして今後さらにその輝きは増していき、プリヴェルノの町を代表する生産者になると信じています。



キャプテン・ミャウ

船乗り猫へのリスペクト!マリンスタイルの飲みやすさニャー
プリヴェルノ市内のコントラーダ・ラーゴ・ディ・ヴィニャーリにある平均樹齢40年の葡萄。2段階に分けて収穫。まずは8月末に一部収穫して一晩マセラシオン。次に9月中旬により熟した葡萄を収穫してこちらは20日間の長いマセラシオン。熟成はグラスファイバータンク。最終的にアッサンブラージュ。第一印象はフレッシュで風味豊か、そして次に調和と安定を感じます。2つの異なる醸造工程上による2面性が感じられる意欲的なワイン。ラベルの猫はかつて軍艦に乗りパスポートすらゲットしたと言われる伝説の「船乗り猫」。So2無添加。
●マルヴァジア・プンティナータ70%、トレッビアーノ20%、オットネーゼ10%
オレンジや柑橘類、ラ・フランスなどのフルーツがたっぷり詰まった爽やか且つ密度の高い香り。
フルーツたっぷりな果実味とキレを与えるたっぷりの酸味。シルト土壌らしい塩気とミネラルが溶け込んだ美味しさ。
ボンバ

柑橘フルーツ&ミネラル爆弾
プリヴェルノにある樹齢50年の葡萄を使用。赤土を含む石灰&粘土質土壌。まずは8月中旬収穫を行い自然酵母発酵、マセラシオンは24時間。10月に遅摘みしたオットネーゼのモストを使って瓶内再発酵を起こします。6ヶ月間熟成させた後に手作業で1本づつズボカットゥーラ。ワインの名前は、過去に行ったスプマンテの試みの中でカンティーナで何本か爆発したことがあった経験から来ています。プリヴェルノ特有の鋭い酸が溶け込んだ切れ味抜群のスプマンテ。So2無添加。
●マルヴァジア・プンティナータ、トレッビアーノ、オットネーゼ
橙を連想させる柑橘系にリンゴと蜂蜜、黄桃、シトラス、そして麝香を思わせる強烈なミネラル香が混ざり合った勢いのある香り。
フルーティーな甘みと葡萄由来の爽やかな酸味が両方力強く融合したエネルギッシュでたっぷりな果実感。
ローザファンテ

踊りだしちゃうロゼの泡
黒ブドウと白ブドウを一緒に醸造。8月末に収穫。5日間マセラシオン。水力圧搾機で圧搾。瓶内再発酵は10月初旬に遅摘みしたチェザネーゼの果汁を添加して行う。手作業でズボカットゥーラ。8ヶ月間グラスファイバータンクで熟成。品種構成から見てもフリーキーのフリッツァンテver的なワインです。味わいも同じくどこか享楽的。
●マオットネーゼ、マルヴァジア・プンティナータ、トレッビアーノ、サンジョヴェーゼ、チェザネーゼ
ザクロ、野イチゴ、紅茶感、黒葡萄のディープながら上品な果皮の風味が香り立つ華やかな雰囲気。
口当たりが柔らかくクリーミーな泡。ワイルドベリーを思わせる黒葡萄の果実と染み渡るような旨味が広がります。
マヤ

"Maya"は古代マヤ文明へのオマージュ。
プリヴェルノではなくトレッキアという付近の町で栽培されたモスカートを使用したワイン。
アルコールがやや高くセーテのワインの中では密度の高い希少なタイプ。
火山灰由来のポゾランを含む火山性砂質土壌の特殊なテロワール。
グラスファイバーのタンクで自然酵母による発酵、細かい澱とともに8ヶ月間熟成。
マセラシオンは5日間。So2無添加。
セーテらしい開放感と明るさの中に土壌の味わいが溶け込んだ珠玉のモスカート。
●モスカート100%
火打ち石のような鉱物感とミネラルの風味。
ライチ、花、スパイスが溶け込んだ深く豊潤な香り。
土壌由来のミネラル、ダシを感じる塩気のある果実味。
セーテらしい身体に染み入るような爽快な酸味。
セーテ・ロッソ

まさにセーテらしい酸とだし感Rosso!
5日間マセラシオン。プリヴェルノブレンド。
セーテらしい酸っぱいストロベリー。So2無添加。
●サンジョヴェーゼ60%、マルヴァジア・ネーラ20%、メルロー10%、カベルネ・フラン10%
赤系ベリーに少し土っぽさが混ざったアタックの後から、ストロベリーキャンディのようなほんのり甘い香りに。
ギューッとした酸味とタイトな果実味。
さすがセーテと思わせる出汁感たっぷりの赤ワイン。
コマンダンテ

果実の充実感と自然な旨味溢れる番外的ワイン
ピーリオにいる友人の畑から分けてもらった樹齢40年のチェザネーゼを使用して醸造されるセーテの番外編的なワイン。ラツィオで最もポテンシャルのある黒葡萄品種に対しての探求心から生まれました。石灰質と粘土質を多量に含んだ畑。
グラスファイバータンクで自然酵母による発酵、11ヶ月間熟成。マセラシオンは8日間。
So2無添加。プリヴェルノの赤ワインとは異なる味わい強い軸を感じつつ飲み心地に特化したバランスの良い味わい。
●チェザネーゼ100%
カシスリキュール、クローブ、アニス、黒胡椒のようなスパイス感。自然でフレッシュな香り。
スパイスを溶け込ませたブドウスープのような果実味。
優しく口の中を心地よく通り過ぎるのにちゃんと美味しさを感じさせる絶妙で自然な魅力。
トロピカーレ

トロピカルで最高の飲み心地を堪能できるワイン
トロピカーレという名前の通り南国気分を味わえるアロマティックで明るいワイン。
エミリアーノ曰くオットネーゼを一番現代的な表現をしたワイン。葡萄の樹齢は40年。
葡萄の半分は除梗せず足で破砕。その後すぐに水動の圧搾機で圧搾。
もう半分の葡萄は除梗してトルキオで圧搾。グラスファイバーのタンクでマセラシオン12時間。澱と共に7ヶ月間熟成。その間の移し替えは満月の日を避けて2~3回行います。
ノンフィルター。So2無添加。非常に濃い黄色の外観。ラベルは南国に生息する鳥"オオハシ"。
とにかく明るい美味しさと華やかな香りを楽しめるワイン。
●オットネーゼ80%、マルヴァジア・デル・ラツィオ10%、トレッビアーノ5%、モスカート5%
トロピカルなパイナップルなどのエキゾチックでトロピカルな南国フルーツの香りが炸裂。さらに夏みかん、八朔などの香りも。
最高の飲み心地と華やかさ。染み入るような質感とキレのある酸味、明確なミネラル感。
ほのかな塩味を感じる優しい旨味とたっぷりの果実感。陽性な元気が出てくるワイン。
インフラスカート

オットネーゼとモスカートのバランス感がたまらない中毒性抜群のワイン
ワイン名のインフラスカートは"色々な物を混ぜ合わせた"と言う意味のスラング。
元々のイタリア語は"メスコラート"。
オットネーゼは3日間のマセラシオン、モスカートは1週間マセラシオン。葡萄の樹齢は40年。10%は除梗無しで全房を使用。水力で圧搾。
グラフファイバーのタンクで発酵、澱と共に7ヶ月間熟成。
その間の移し替えは満月の日を避けて2~3回行います。ノンフィルター。So2無添加。
彼らのワインの中ではアルコールがやや高く、共通した軽快さを保ちつつ充実したジューシーさを兼ね備えたワイン。モスカートのアロマティックさとオットネーゼのミネラル感が絶妙に溶け合った中毒性の高いワイン。
●オットネーゼ60%、モスカート40%
ライチやパイナップルのトロピカルな香りが強調された香り高いワイン。オットネーゼのドライなミネラル感と合わさり開放感のある芳香なワインに仕上がっています。
アタックの勢いのある果実味と酸、余韻のいい感じのタンニン。ドライでミネラルと旨味を備えた味わい深い果実味。プリヴェルノの特徴をしっかりと表現しつつ力強さも感じる素晴らしいワイン
フローラ

まるでお花畑。溢れるようなフルーツのアロマと優しいおいしさ
生産者曰くこのワインはフローラなので女の子。葡萄の樹齢は40年。
このモスカートは早熟で収穫も少し早い。2/3は除梗無しで全房を使用。
半分は2週間マセラシオン・カルボニック。その後2日間マセラシオン。
もう半分はカルボニック無しで5日間のマセラシオン。
グラスファイバーのタンクで発酵、澱と共に6ヶ月間熟成。
その間の移し替えは満月の日を避けて2~3回行います。ノンフィルター。So2無添加。
濃い外観。最もアルコールが低く優しく染み込むワイン。
●モスカート・ディ・テッラチーナ100%
その名に恥じない花のような香りと黄桃やアプリコットの溢れるようなアロマの嵐。
ビターなオレンジのニュアンスも。非常に濃く密度の高い香り。
ある意味このアルコール度とは思えない充実感。
セーテのワインに共通するキレのある酸味とミネラル。じんわりとした酵母の旨味と余韻。
パイナップルやライチのような魅力的な風味が口の中で広がります。
フリーキー

華やかさと軽やかさが織りなすセーテにしか生み出せない淡旨ロザート
フリーキーとは"普通じゃない"と言う意味。その名の通り色々と不思議なワイン。葡萄の樹齢は40年。全て除梗して品種全てを混醸。マセラシオンは1週間。発酵終了と共に果皮を引きます。
ちなみにこれらの品種や醸造は毎年違います。彼等からの醸造方法の説明は"Be freaky"以上。
白ブドウが主体なのにロザート。超個性的で格別な美味しさと飲み心地のワイン。So2無添加。
●オットネーゼ、マルヴァジア・プンティナータ、トレッビアーノ、サンジョヴェーゼ
同じ畑の白葡萄と黒葡萄を混ぜてマセラシオンしたロザートなので上のサッビアに似た香りがありました。フランボワーズや紅茶、グアバにアセロラ、桃。さすが混ぜこぜワイン。本当に面白い香りが楽しめます。
口当たりはソフトで淡い赤い果実味にはじんわりと広がる旨味のあるダシ感があります。もしかしたらセーテの白ワインのどれよりも飲み心地が良いワインかもしれません。
サッビア

溢れだすグアバの香り
セーテの畑の中でも特に個性の強い畑から生まれるワイン。海から風で運ばれてきた砂質が強く、赤土と多量のケイ素を含む強力なミネラルを含む土壌。葡萄の樹齢は50年。48時間のマセラシオン。圧搾後グラスファイバーのタンクで発酵&澱と共に7ヶ月間熟成。その間の移し替えは満月の日を避けて2~3回行います。ノンフィルター。濃い輝きのある黄色の外観。オットネーゼとマルヴァジアの融合、海と山に囲まれたプリヴェルノの特性を余すことなく表現した彼らの代表的な白ワイン。So2無添加。
●オットネーゼ70%、マルヴァジア・プンティナータ30%
グアバやネクターのようなフルーツの香りはどこかエキゾチックで個性的。このサッビアにはモスカートが入っていません。でもセーテのワインの中でもトップクラスの香りの華やかさ、トロピカルさが感じられるワインです。コントラーダ・サン・マルティーノという土地の気候も関係しているのかもしれません。
味わいは砂質の乾いた土壌を連想させるような酸味がギュッとした味わい。口の中でもフルーツの香りが持続していきます。
バッフォ・ビアンコ

ラベルのおじさまトリビュートワイン(白 ver)
コントラーダ・ジロ・ラーゴのブドウを使用。石灰質、シルト、粘土質の土壌。
3日間マセラシオン。水力式圧搾機で圧搾。
グラスファイバータンクで6ヶ月間熟成。So2無添加。
セーテの良き相談役で造り手でもある”エラズモ・アカ・バッフォ”へのトリビュートワイン。
●オットネーゼ100%
バッフォ・ロッソ

ラベルのおじさまトリビュートワイン(赤 ver)
コントラーダ・ジロ・ラーゴのブドウを使用。石灰質、シルト、粘土質の土壌。5日間マセラシオン。水力式圧搾機で圧搾。グラスファイバータンクで8ヶ月間熟成。So2無添加。
●ボナミコ50%、チリエジョーロ50%
野イチゴとさくらんぼの様な深い赤系ベリーの香りとほのかなスパイス感。
しっかりとした酸味とワイルドな果実感。素朴で自然な淡い旨みがギュッと詰まっています。
D°2 ビアンコ

カンパニャーノ・ディ・ローマ(ローマから北に30km)の葡萄を使用。樹齢は30年。凝灰岩由来の火山性地質。手で除梗を行い、トルッキオで圧搾。マセラシオンは18時間。54ℓのダミジャーナで7ヶ月間熟成。このD2゜は"Duilio Secondo"というデザイン会社の友人との共同作業で醸造された極少生産のワインです。彼らは1700年代の家に住んでおり、その家の下に凝灰岩を手で掘って造った地下貯蔵庫があり、そこでワインを温度管理無し、昔ながらの手作業で自然酵母発酵することがテーマです。人と人との繋がりを重要視するエミリアーノらしいユニークなプロジェクトから生まれたワインです。So2無添加。
●マルヴァジア・プテンィナータ・デル・ラツィオ100%
D°2 ロッソ

カンパニャーノ・ディ・ローマの葡萄を使用。樹齢は30年。凝灰岩由来の火山性地質。機械を使わずに手で除梗、トルッキオを使って圧搾します。D2゜ビアンコと同じく凝灰岩の地下セラーで温度管理無で自然酵母発酵。マセラシオンは8日間。54ℓのダミジャーナで7ヶ月間熟成。エミリアーノ曰く農民風の歓迎的な味わい。So2無添加。
●カベルネ・ソーヴィニヨン60%、メルロー40%
サファラ

3日間マセラシオン。ステンレスタンクで8ヶ月間熟成。パイナップルやハーブのフレッシュな味わい。So2無添加。
●トレッビアーノ60%、オットネーゼ30%、マルヴァジア・プンティナータ10%
モーリ

トレッキアの樹齢40年のモスカートを使用。マヤの葡萄の1週間遅れの収穫。火山性とポラゾン(砂質)の土壌。ステンレスタンクで自然酵母発酵、1週間マセラシオン。栗のバリックで11ヶ月間熟成。モーリは想像上の植物で神の国にあるとされています。ギリシア神話の中で英雄オデュッセウスが女神ヘルメスから与えられ、魔女キルケーの毒薬から助けた重要な解毒剤として伝えられています。このモーリは海藻であるという説があり、アマセーノ谷から数キロに位置するラティーナの海岸にあるCirceo国立公園(Circeoはイタリア語でキルケー)へのオマージュとして海藻が描かれております。この海岸からの風は葡萄の生育に強い影響を与えています。
So2無添加。
●モスカート100%
ビア

彼らの祖父母の代ではオットネーゼ100%の農民ワインを造っていました。現在は希少で、プリヴェルの方言で「ほんの少し」という意味を持つ"BIA"と命名しました。"コントラーダ・ジロ・ラーゴ"というプリヴェルノの中で最も高い完熟度を得られる畑の葡萄、その中でも特に完熟した葡萄をセレクトして醸造されています。土壌構成は石灰と粘土。グラスファイバーのタンクで自然酵母による発酵、細かい澱と共に11ヶ月間熟成。マセラシオンは20日間とセーテ最長。So2無添加。色濃い琥珀色の外観。
●オットネーゼ100%
パパイヤ、オレガノやスパイスが溶け込んだスモーキーでビターな香り。徐々にオレンジリキュールやコリアンダーの風味を特に強く出てきます。
口の中で存在感のある酸とミネラル。果実味もたっぷりでタンニンも心地よい。"軽い"というプリヴェルノの特性を残しつつ様々な表情で楽しませてくれる魅惑的なワイン。
アリメント

5日間マセラシオン。ステンレスタンクで10ヶ月間熟成。
パイン、パッションフルーツ、ジャスミンの南国アロマ。甘やかなフルーツの詰まった果実味。ほのかなタンニンとレモンの余韻。So2無添加。
どんな料理にも合う無敵ワイン。
●オットネーゼ100%
南国フルーツとカリン、ハッカ、薬草、土壌のミネラルが溶け込んだ溢れるアロマ。
液体全体に行きわたった豊潤な果実感、酸とのバランスが非常に良く当たりの優しい質感。土壌のミネラルも輪郭を感じるほどにはっきりと感じられます。
ドゥエ・パローレ

プリヴェルノにあるピエフランコ(フィロキセラ・フリー)で樹齢100年以上のオットネーゼで造られる極少生産本数の特別なワイン。砂質(黄砂、赤砂、ケイ素を含む)。手で除梗、水力式圧搾機で圧搾。ステンレスタンクで発酵&10ヶ月間熟成。18ヶ月間瓶内で熟成。30日間マセラシオン。1919年に戦争から帰ったエミリアーノの曾祖父が最初に樹を植えてから100年にわたり代々管理されてきました。2017年からセーテが管理を引き継いでいます。セーテの前の1987年~2017年まで管理していたエミリアーノの叔父マリオが、エミリアーノたちが引き継いでから間もないときは心配でよく電話で助言を与えてくれました。その電話はいつもこのように始まりました。「Nepo',te tenca di du parole」"甥っ子よ、君に二言言わないといけない"
●オットネーゼ(ピエフランコ) 100%
アンズ、カラメル、オレンジピール、紹興酒、バルサミコなどの熟成感のあるディープでアロマティックな表情。他のラインナップとは一線を画す深い香りを放ちます。
はっきりとした塩味を感じさせる特上のミネラル感。ギュンギュンの旨味とタンニン。最上級ワインなだけあって風格を感じさせる濃密な果実味です。