Longarico ロンガリコ
アルカモで最も高い標高の畑を所有する愛すべき紳士な造り手
イタリア シチリア州 トラーパニ アルカモ

ロンガリコはアルド&アレッサンドロのヴィオラ兄弟と幼馴染であるルイージが当主を務めるワイナリーです。ルイージは今まで見たイタリア人の中でもトップクラスの紳士で柔らかいキャラクター。設立当初はアレッサンドロ・ヴィオラと共同運営をしており、畑仕事や自然な醸造のノウハウを彼から伝授されました。現在、ルイージは独り立ちしました。アレッサンドロやアルド・ヴィオラと同地区であるシチリア州トラパーニ県アルカモの中に畑を所有しております。
ワイナリーとしてアルドやアレッサンドロとの大きな違いは彼の所有する畑の立地条件です。自然保護区域にある二つの畑は標高400mの"ファストゥケッラ"と標高700mの”コントラーダ・フンタナッツァ・リスナット”。特に祖父が所有していた土地をルイージが一から開拓した”コントラーダ・フンタナッツァ・リスナット”はアルカモで最も標高の高い葡萄畑です。大型の石灰岩がゴロゴロと埋まっていた畑を開拓するのはとてつもない重労働でしたが、葡萄畑となった現在のその場所に行くとルイージは毎回鳥肌が立つそうです。それほどの達成感、そして祖父への想いが詰まった場所なのです。


今まで農業が行われていない自然保護区域の為、一度も農薬などの化学物質に害されていない場所です。しかし保護区域内の限られた範囲でしか葡萄を植えることは許されませんでした。付近には松林が広がっておりそれがラベルのデザインとなっております。名前のロンガリコの意味は古代に"ロングロ"と呼ばれていたこの地の先住民が造った町の名前が由来です。
アルカモ最高の標高を誇る彼のワインはシチリアの中で際立った上質な酸味が生み出され、エレガントでどこか涼しさを感じさせます。そして標高の高さからゆっくりと成熟した葡萄から生まれる長い余韻は素晴らしいです。アレッサンドロたちと同じくナチュラルワインを愛しており、自身のワインでも自然酵母で発酵させ、So2は極少量に抑えています。シチリアというととても暑く、太陽の恵たっぷりな濃厚なワインを想像しますが、彼らのワインはまったく暑苦しくなくエレガントです。ロンガリコの畑は標高の高さにより海側とは体感温度が全く異なります。豊かな良い風が吹く特別な環境です。ロンガリコのワイン全般的に標高の高さによる魅力が詰まっていますが、特に上級ラインの”アッロンブラ・ディ・ピーニ”は700mの標高で生まれた葡萄のエレガンスと味わいの奥行きがしっかりと表現されている最高峰のシチリアワインになれるポテンシャルを感じさせます。
ロンガリコはシチリアを離れてボローニャでレストランを経営していたルイージが当時各地でワイン醸造を経験中だったアレッサンドロと再会してワインを飲んでいるときに、ルイージの家系が所有していた標高の高い土地があったことをルイージに切り出したことがきっかけでした。そのうちにアレッサンドロが遊び間隔でルイージの自宅の庭に葡萄の樹を植えてみたりするうちにルイージにワイン造りの灯がともったそうです。共同運営は解消したとはいえアレッサンドロとは今でも大親友。彼からの刺激をもらいながら共に故郷アルカモのワインの歴史を塗り替えていくでしょう。



ノストラーレ

自然な醸造でカタラットの個性をしっかりと表現
カタラット100%で造られる彼らのベースワイン。
9月中旬に収穫された葡萄をステンレスタンクで発酵を行い、熟成もステンレスタンク内で7ヶ月行います。
So2はボトリング前にごく少量を加えるのみで、自然農法のカタラットの魅力が詰まったワインに仕上がっています。
名前のノストラーレとは”僕たちのワイン”という意味。
●カタラット100%
シトラスやライム、蜜にミネラル感、杏を思わせるボリュームのある香りのアタック。
カタラットの特徴でもあるラベンダーの香りと少しオリエンタルな雰囲気を感じさせます。
しっかりとした酸と余韻がほんのりビター。カタラットらしい芯のある味わい。
カタルティコ

カタラットのエキス全開な味わい
カタラットをマセラシオンした白ワイン。
9月中旬に収穫された葡萄をステンレスタンクで発酵。3日間マセラシオンを行います。
その後、栗の樽の中で8ヶ月間熟成。ノンフィルターでボトリング。
So2はボトリング前にごく少量のみ加えます。3日間の短いマセラシオンですが、エキスや香りはしっかりとワインに反映されています。名前のCatarticoは”浄化”や”純化”を意味します。
●カタラット100%
レモンの葉やハーブの爽やかな香り。熟成香、カラメル、蜜蝋や樹脂、栗の樽由来の少しミルキーなニュアンスがあります。たっぷりのトロピカルな香りが楽しめます。
エキスの詰まった豊潤な果実味と力強いタンニン、ミネラルと酸も充実しており非常に飲み応えがあります。カタラットという品種の力強さとポテンシャルを感じさせるワインです。
インソリト

シラーとネレッロをブレンドした「普通じゃない」ワイン
標高550mに位置する「モンテ・ジャート」で栽培されたシラーとネレッロマスカレーゼをブレンドした珍しいワイン。あまり類を見ないブレンドワインなのでInsolito、「普通じゃない」という名が付けられました。
粘土質主体に石灰が多量に混ざった土壌構成。
ステンレスタンクで発酵後、栗のトノーの中で6ヶ月間澱と共に熟成。ノンフィルターでボトリングされます。はっきりとした骨格と、はつらつとした果実味が魅力。
アレッサンドロ・ヴィオラの前身ワイナリー「Uva Tantum」が造っていたアルゲントゥムの若いVTに似ています。
●シラー80%、ネレッロマスカレーゼ20%
クローブ、ブラックペッパー、ジュニパーベリーなどのスパイス混ざったインパクトのある香り。ブラックベリーの密度の高いアロマと重なります。非常に香り高く変化が魅力的なワインです。
継ぎ目の無い高密度な果実味と充実した酸味。
タンニンはしっかりとワイン全体の骨格をしっかりと支えています。
シラーならではの心強い果実味、ナチュラルで重すぎない質感が絶妙。
リヴェルス

Riversuとは”反対”という意味。その名前の通りネレッロマスカレーゼ主体のエトナとは違い、ネレッロカプッチョ主体で造られています。9月下旬に収穫された葡萄をステンレスタンクで発酵。
その後栗の樽の中で7ヶ月間熟成。ノンフィルターでボトリング。So2は完全無添加です。
カプッチョ主体での醸造というユニークなワインですが、バランスが良く完成度の高い仕上がりとなっています。
●ネレッロカプッチョ100%
野生的なミックスベリーの強い香り。スパイスやインクのニュアンスもあります。
最初はアグレッシブな印象ですが、抜栓して暫く立つと穏やかに変化していきます。
豊富なタンニンとミネラルがあり、少し塩分を感じるような余韻です。
果実味は繊細でエレガント。フレッシュでエネルギッシュな味わいが魅力。
アッロンブラ・ディ・ピーニ メトド・クラシコ

甘美な熟成感と複雑さ。有無を言わせない別格の美味しさ
標高700mに位置する新たな畑「コントラーダ・フンタナッツァ・リス・ナット」で栽培。粘土と石灰の混合土。 ルイージのスパークリングワインへの情熱と、このブドウができる畑ならではのフレッシュさと複雑さを表現するためのワインとして誕生しました。9か月間オークのトノーで熟成後、カタラットの糖と酵母を添加して王冠キャップを付け、18か月間シュールリー。ドザージュなしでデゴルジュマン。デゴルジュマンの前に極少量のSo2。
●カタラット100%
良いシャンパーニュに通じる熟成感を感じる芳ばしいナッツの香りが非常に特徴的。蜂蜜、カリン、キンカン、貴腐付き葡萄のような豊潤なアロマ。野性ハーブなどなど。超豊潤な香りの塊。
超上質な酸味。口の中での広がり方、伸び方が素晴らしい。ほんのりと甘いトーンの果実感ですが引き締まった味わいで余韻に熟成したマルサラや紹興酒のような酒質の高いコクを感じます。
参
アッロンブラ・ディ・ピーニ ピノネロ

ロンガリコ至上最も高い標高で栽培された松林のピノネロ
標高700mに位置する新たな畑「コントラーダ・フンタナッツァ・リス・ナットで栽培。
粘土と石灰の混合土。9月10日~20日にかけて収穫。
ステンレスで自然酵母発酵、熟成はトノーで13ヶ月間。ワイン名の意味は「松の樹の陰で」。
畑のある場所が松林の陰にあるからです。
●ピノネロ100%
甘いイチゴ、ザクロ、フルーツのタルトなどの香りが樽香と合わさり高く華やかに立ち上がります。抜栓後はダシ感も出てきます。熟成させたい雰囲気ビシビシと感じます。
味わい:まさにピュアな果実味。甘みと酸味がキュッと口の中に溢れるようなイメージ。
しかしタンニンはけっこうしっかりとあり骨格は緩くはありません。
しなやかな中にあるたくましさからこのワインに対する熱量が伝わります。