Le Verzure レ・ヴェルツーレ
森のオアシスから生まれる至高のワイン
イタリア トスカーナ州 シエナ県 オルチャ
トスカーナ州シエナ県にあるヴァル・ドルチャとヴァル・ディ・メルセの丘の間に位置する2004年設立のワイナリー。2023年春に、ナチュラルでありながらサンジョヴェーゼに求められるフィネスも実現させた類まれなるワインを生み出すこの造り手と出会いました。まさかこのクラスのサンジョヴェーゼの造り手がまだトスカーナに眠っていることに正直驚きました。
彼らが所有する土地自体は1800年代に耕作されていました。地中海特有の森や、クレーヴォレ川、クレヴォローネ川、オンブローネ川の3つの川に囲まれた肥沃な土地です。
レ・ヴェルツーレは「緑と植物が豊かなこと」を意味し、その名は200年以上に渡って保たれ続けてきました。もともとイノシシとシカが住んでいた汚れの無い土地に羊の牧場が作られ、そして歴史と自然に溢れたこの地を、2004年にアントネッラとルイージ・バルバンの夢をかなえるのに完璧な場所として選びました。
所有する土地はコルクガシや落葉樹の森に囲まれ、2005年オリーブオイル畑を開墾、2007年には「サンジョヴェーゼ・グロッソ」を植樹。そして2013年にはこの土地に結び付いた白葡萄品種「トレッビアーノ」と「マルヴァジア」を植樹しました。サンジョヴェーゼはコルドーネ・スペロナート、白葡萄はグイヨ仕立てです。
サンジョヴェーゼの畑の方角は北から南に渡っており、1本の道で2つに分かれています。標高が高い側は土壌の性質のおかげで標高が低い側の畑より10日程度早く、9月末から10月初めに葡萄が熟します。標高が低い方の畑は、川から来る夜間の涼しい風のため、10月中旬に収穫します。
レ・ヴェルツーレは土地と伝統に深い敬意を示しながら葡萄とオリーブを栽培する「森に囲まれたオアシス」です。近隣には農薬を散布する生産者などは存在しない純粋な自然な環境が確立されています。美味しいワインは土地とそれを耕す人の関係から生まれる産物であるという理念を持ち、必ず敬意をもって土地と向き合っています。
彼らは強い特徴を持ったこの土地の守り人であり、毎日土地の全ての要素に大きな注意を払い、そこから誕生するワインは葡萄を育んだ土地の独自性と強いアイデンティティーを最大限表現しています。土地とその産物に敬意を払うというのは自然のサイクルを壊さない事を意味します。化学物質や除草剤は一切使わず、緑肥の使用とビオディナミ農法のような軽い介入しか行いません。
醸造は5000ℓの大きな開放木樽で行います。一部はテッラコッタの壺で醸造します。温度管理はせず、葡萄の皮についた野生酵母のみを使用します。アルコール発酵とマロラティック発酵が終わったら、ワインによって12-36ヶ月熟成させます。彼らの全てのワインはノンフィルターです。
ワイン造りという冒険を始めたとき、農地は大幅な整備と再建を必要としていました。土地の形態学を学び、それを彼らの哲学と融合させながら、土地の中に最適な介入方法を探していました。そうしてビオロジック農法、やがてビオディナミ農法を採用することに決めたのです。彼らは絶えず技術とビオディナミ農法の研究をし、葡萄が複雑味を増すようにしています。
自然に囲まれたオアシスのようなレ・ヴェルツーレの畑は、彼らの計り知れない探求心、向上心、妥協を知らない取り組みにより凄まじいポテンシャルを備えました。その畑で採れた葡萄そのままの可能性を最大限に引き出す自然な醸造が合わさり、極上のワインへと昇華されています。
彼らは「土地は誠実で感謝を忘れないパートナーです。強い植物と、唯一無二の香りと味を発揮しうる健康な葡萄という形で、毎日私たちに応えてくれます。それは私たちの仕事に対する最大限の報酬です。」と語りました。
ナトゥラルメンテ・ビアンコ
NATURALMENTE BIANCO
IGT/白/750ml
シンプルを貫いたストレートなナチュラル・トレッビアーノ
青灰色の粘土と鮮新世時代の海洋性堆積物の混合粘土質の畑。仕立てはグイヨ。
9月初旬に手摘みで収穫。ステンレスタンクで25日間自然酵母で発酵。
ステンレスタンクで4ヶ月、ビン内で最低3ヶ月熟成。
"ナトゥラルメンテ"という名前はシンプルでそのまま、というこのワインのキャラクターが由来です。
●トレッビアーノ100%
レモンをベースに石灰、ミネラル、樹脂、ほんのりと青リンゴを感じる清涼感に満ちた自然派香り。フレッシュでイキイキとした、余韻に、オイリーなコク。アーモンド、蜜のじんわり余韻。
ナトゥラルメンテ・ロッソ
NATURALMENTE ROSSO
IGT/赤/750ml
滑らかさが極まった寄り添うような自然なトスカーナロッソ
青灰色の粘土と鮮新世時代の海洋性堆積物の混合粘土質の畑。
仕立てはコルドーネ・スペロナート。9月初旬に手摘みで収穫。
ステンレスタンクで25日間自然酵母発酵。ステンレスタンクで4ヶ月、瓶内で最低3ヶ月熟成。
"ナトゥラルメンテ"という名前はシンプルでそのまま、というこのワインのキャラクターが由来です。
●サンジョヴェーゼ・グロッソ100%
甘いベリーの香り、ブラッドオレンジ、まろやかな雰囲気で心地よい自然な香り。
時間が経つと出し系の香り。
滑らかで口当たりがよくノンストレスで口の中に溶けて流れるような抜群の飲み柔らかさ。
ナチュラルに明快に美味しいサンジョヴェーゼ。
ビアンコアウグスト 2020
BIANCOAUGUSUTO
IGT/白/750ml
アンフォラを活用した濃密で深い香りを放つ上級ビアンコ
青灰色の粘土と鮮新世時代の海洋性堆積物の混合粘土質の畑。仕立てはグイヨ。
9月初旬に手摘みで収穫。アンフォラで自然酵母発酵、冬の間はずっとマセラシオン。
温度管理無し。そのままアンフォラで翌年の収穫の時期まで熟成。
ボトリング後に瓶内で最低6ヶ月間熟成。ノンフィルター。
"アウグスト"はルイージの父の名から。
●トレッビアーノ70%、マルヴァジア30%
金木犀、レモンシロップ、アカシア、メープル、パイナップル、グラッパ感、アンズ。
複雑で濃密な香り。
果実はほぐれていて程よいタンニン。豊潤な肉厚な果実味。ほんのり甘味、余韻甘酸っぱい。
ロッソブルーノ 2018
ROSSOBRUNO
IGT/赤/750ml
際立つ熟成感。どこまでもエレガントな至高のサンジョヴェーゼ
青灰色の粘土と鮮新世時代の海洋性堆積物の混合粘土質の畑。コルドーネ・スペロナート。
10月初旬に手摘みで収穫。スロヴェニアさん大樽で自然酵母発酵。マセラシオン25日間。
熟成もスロヴェニア産大樽で12ヶ月間熟成。ボトリング後に瓶内で最低6ヶ月間熟成。
ワイン名に含まれる"ブルーノ"は彼らの後押しをしてくれたアントネッラの父の名から。
●サンジョヴェーゼ・グロッソ100%
ドライイチジク、桃のコンポート、乾燥ポルチーニ、出し醤油、黒糖。
熟成したサンジョヴェーゼと自然酵母が織りなす艶やかな香り。
熟成感を感じる淡くエレガントな美しい果実味。
甘みと旨味のエキス感が優しくもはっきりと余韻が持続します。
シレオ
SIREO
赤/750ml
醸造工程を全てアンフォラで完結させたトスカーナの伝統から飛び出す自然な表現
青灰色の粘土と鮮新世時代の海洋性堆積物の混合粘土質の畑。コルドーネ・スペロナート。
10月初旬に手摘みで収穫。アンフォラにノンプレスで葡萄入れてフリーランジュースのみを使用。冬の間(約6ヶ月間)常に果皮と共にマセラシオンを行います。
一度移し替えて別のアンフォラで約6ヶ月間熟成。
シレオの名前の由来は、「神話への愛から生まれました。シレーオはギリシャ神話の登場人物でとても肥沃な土地を持ち、そこを通る全ての人に通行料として、素晴らしいブドウ樹が育つその地を耕すことを要求していました。私たちがサンジョヴェーゼを植樹した時、私たちのお客さんは皆手を貸してくれ、畑を耕し、小石を取り除き、苗の世話をし、私たちの歓迎に応えてくれていました。」
●サンジョヴェーゼ・グロッソ100%
ブルーベリー、アンズ、柿、ビワ、オレンジの中にミントのような爽やかさ。
クローブのスパイス感。自然な葡萄のピュアさが主張したナチュラルワインらしい雰囲気。
葡萄果汁感が感じられる自然な淡い果実味。
自然酵母の出し感が溶け込み優しくも充実した美味しさがダイレクトに感じられます。
イル・ブルーノ
IL BRUNO
赤/750ml
選果を徹底した葡萄に長期熟成を与えた最上のリゼルヴァ
簡単にほぐれる粘土質、石灰質、ガレストロの畑。コルドーネ・スペロナート。
10月初旬に手摘みで収穫。4日間に渡り細かい熟度を徹底して選果。
スロヴェニア産の大樽で自然酵母発酵。マセラシオン25日間。
熟成もスロヴェニア産大樽で36ヶ月間熟成。ボトリング後に瓶内で最低12ヶ月間熟成。
ワイン名はロッソ・ブルーノと同じくアントネッラの父の名が由来です。
●サンジョヴェーゼ・グロッソ100%
長いスロヴェニア産大樽熟成の雄大な雰囲気。
イチジク、レーズン、薬草、枯葉、ミント、トリュフ、桑の実、ダークチョコ、ラムなど複雑で力強い香り。
甘く詰まったたっぷりの果実味。
熟成して旨味が強まり、タンニンはまろやかに溶け込んでいます。
余韻にも甘いコクが強く残り別格の美味しさが味わえます。