top of page

IL VINCO  イル・ヴィンコ

ボルセーナ湖を心から愛する幼馴染3人の情熱が生み出したワイナリー

イタリア ラツィオ州  ヴィテルボ県 モンテフィアスコーネ

th.jpg
IMG_2203_edited_edited.jpg

ローマから北西に約70kmに位置するヴィテルボ県。その中でも近年レ・コステのジャン・マルコによってナチュラルワインの産地としての認知度を高めた土地”ボルセーナ湖”。ヨーロッパ最大のカルデラ湖としても有名な地域です。カルデラ湖とは火山の活動によってできた大きな窪地=カルデラに雨水がたまってできた湖で、この地域は火山性土壌という特性を備えています。

 

イル・ヴィンコはボルセーナ・マルタ出身のニコラ、マルコ、モンテフィアスコーネ出身のダニエーレの3人が立ち上げた若きワイナリーです。現在ジャン・マルコやヴィッラーナなどイタリア国外出身の生産者達が牽引しているワイン産地ですが、彼らはその中で希少なボルセナ出身者。地域への愛情は誰にも負けないと自負しています。

 

マルタ出身のニコラとマルコは3歳から一緒の幼馴染、ダニエーレは隣町に住んでいて2人とは中学で知り合いました。3人とも農家出身ですが、ニコラは家業であるオリーブオイル生産、マルコは彫金、ダニエーレは政治科学を学んでいました。3人とも元々ワイナリーの家系ではありませんでしたが、ナチュラルワインが好きで、ワインイベントに参加したり、ナチュラルワインへの憧れの気持ちをずっと抱いていました。そんなある日3人で飲んでいるとき、「俺たちはワインが好きだ。とりあえず3人で一度やってみないか!?」と盛り上がり始めたそうです。軽くノリで始めたようにも思えるエピソードですが、ボルセナに地元出身のナチュラルワインの造り手がほぼいない状況を変えたい、地元民の俺たちも奮起せねば!という強いパッションがあり、真剣にワイン造りと向き合い、ジャン・マルコや周辺の生産者、敬愛するラ・ストッパなどの影響を受けて着々と成長し活動してきました。

IMG_2320_edited.jpg
IMG_2227_edited.jpg
IMG_2376.jpg
IMG_2475.jpg

イル・ヴィンコの所有する畑はわずか5ヘクタール。ボルセナ湖周辺の南に位置する”マルタ”と”モンテフィアスコーネ”にある3つの区画に畑を所有しています。樹齢30年以上の畑が2ヘクタール。2017年に植樹した畑が3.5ヘクタール。標高は350~500mに位置しており、土壌は水捌けの良い砂質の火山性土壌です。”シロッコ”と呼ばれる高温多湿な風の影響を受ける地域です。サハラ砂漠の乾燥した熱風が海上で水分を吸収することで湿潤な風となります。これによって雨を伴うことが多く、砂嵐をともなうこともあります。それによりこの土地の土壌は白い色合いになります。

 

栽培されている品種はカナイオーロ・ネーロ、アレアティコ、グレケット・ロッソ、プロカニコ、トレッビアーノ・ジャッロ、マルヴァジア・ビアンカ・ルンガ。その中でもカナイオーロ・ネーロはマルタ付近で何世紀にも渡り栽培が盛んな品種であり地域を象徴する品種と言えます。故郷への愛を掲げているイル・ヴィンコの3人にとって特別な品種であり思い入れの強い品種なのです。実際にテイスティングした中でもカナイオーロ・ネーロを用いたワイン「ソーロ・ウナ・ノッテ」は特筆すべき魅力を放っており、旨味のあるエキスがありつつも彼らのワイン最大の魅力である“優しさ”、”柔らかさ”、”飲み心地の良さ”が際立っています。

畑では必要に応じて少量の硫黄と銅を散布していますが、出来る限り自然に介在しないように努めています。そして銅が土中に滞積するということにも向き合い、最近はゼオライトとボルセナ湖由来のミネラル質と海藻を用いた自然な調剤を畑に使用しています。これは畑のためであると同時にボルセーナ湖をはじめとしたこの地域の環境に配慮するという想いが働いています。セラーでは温度管理、濾過や清澄は行わず、So2も必要と思われる場合のみ最小限の使用にとどめています。

 

モンテフィアスコーネとマルタで育った農家出身の3人にとって、イル・ヴィンコは郷土愛と友情の証と言えるでしょう。数少ないボルセナ出身者のワイナリーとして地域を背負って立つ覚悟が訪問時に垣間見れました。

家族のように応援してくれる地元民に愛されながらこれからも成長し続けていくでしょう。

IMG_2482.jpg

ビアンコペルソ
Biancoperso
白/750ml

Biancoperso.jpg

シンプルながら充実した美味しさ。"失われた白ワインの復刻"がテーマのワイン

モンテフィアスコーネの標高450mの畑。火山性砂質。樹齢は約25年。

9月下旬に手摘みで収穫、除梗後、グラスファイバータンク自然酵母発酵、温度管理無し。

無濾過、無清澄。マセラシオン5日間、6ヶ月熟成。

瓶詰め前にSo2を極少量添加。瓶内熟成は最低3ヶ月。

ビアンコペルソは「失われた白ワイン」という意味で家庭で造っていたワインへのオマージュ。

プロカニコ、トレビアーノ・ジャッロ、マルヴァジア・ビアンカ・ルンガ

蜂蜜や樹脂を思わせるオイリーな香り。

奥の方にビターな柑橘のニュアンスがあり、時間が経つとほどけてくる質感。

 

アタックの果実味の甘み、酸味、タンニンの一体感が心地よく口の中に広がります。   

フォレスティコ
Forestico
白/750ml

Forestico.jpg

誰もがリラックスできる濃密な美味しさ

モンテフィアスコーネの標高450mの畑。火山性砂質。樹齢約20年。

モスカートは9月上旬、プロカニコは9月下旬に手摘みで収穫。

除梗後にグラスファイバータンクで自然酵母発酵。温度管理は行わない。

マセラシオンはそれぞれ2日間。無濾過、無清澄。6ヶ月熟成。瓶詰め前にSo2を極少量添加。

瓶内熟成は3ヶ月間。「フォレスティコ」とは地元の言葉で"孤独で変わった人"という意味。

彼らの造る他のワインとは違うことを表現した命名。

モスカート50%、プロカニコ50%

金木犀、黄桃、ライムなどの深く甘いアロマティックで熟れた濃密な香り。

ローリエ、セージなどのハーブの香り。

 

たっぷりとした果実味と旨味の凝縮感。ゆったりとしていて熟した甘みと豊潤な質感。  

ミスティオーネ・ロザート
Mistione
ロゼ/750ml

Mistione Rosato_edited.jpg

たくさんの品種を混ざり合わせた癒しのロザート

モンテフィアスコーネの標高450mの畑。火山性砂質。9月中旬に手摘みで収穫。

グラスファイバータンク自然酵母発酵、1日間マセラシオン。無濾過、無清澄。

グラスファイバータンクで熟成。瓶内で最低3ヶ月熟成。

造っている葡萄を色々な配合を試して行きついたワイン。

その逸話はラベルにたくさんのグラスで表現されています。

プロカニコ、トレビアーノ・ジャッロ、マルヴァジア・ビアンカ・ルンガ、

 カナイオーロ・ネーロ、グレケット・ロッソ

オレンジ、飴、みかん、ローズマリー、穏やかで甘く、少し土っぽいミネラルの香り。

柔らかく落ち着いた美しい果実感。柑橘が香りリラックスできるような優しい味わい。

ソーロウナノッテ
Solounanotte
ロゼ/750ml

Solounanotte.jpg

一晩目を離さずに醸した穏やかで最上の飲み心地

モンテフィアスコーネの標高450mの畑。火山性砂質。

9月中旬に手摘みで収穫、グラスファイバータンクで自然酵母発酵。無濾過、無清澄。

マセラシオンは1晩のみ。6ヶ月熟成。温度管理無し。瓶詰め前にSo2を極少量添加。

ソロウナノッテは「一晩だけ」という意味。

カナイオーロ・ネーロのマセラシオンを一晩だけ行うことから。

一晩カナイオーロを覗きながら過ごす絵がラベルに描かれています。

カナイオーロ・ネーロ100%

甘い紅茶、ストロベリーを中心とした癒される上品な香り。

夜のまどろみのような香りに魅了されます。

良い意味で緩く甘い果実感。塩気があり、コクがありながらも穏やかで心地よすぎる味わい。

カナイヨ
Canajò
赤/750ml

Canajo.jpg

赤ワインでありながらも優しさは忘れない、ヴィンコの真骨頂

マルタの標高350mの畑。火山性砂質。

9月中旬に手摘みで収穫、グラスファイバータンクで自然酵母発酵、7日間マセラシオン、6ヶ月熟成。温度管理無し。瓶詰め前にSo2を極少量添加。瓶内で最低3ヶ月間。

カナイヨは「カナイオーロ・ネーロ」から。

カナイオーロ・ネーロ100%

ブルーベリー、ミント、ライム、少しスパイスの香り。シックで大人な雰囲気。

赤ワインなのに強すぎない絶妙な果実感。

程よいタンニンがあり、料理に合わせたくなる食欲を掻き立てる味わい。                   

レ・カパンナッチェ・ロッソ
Le Capannacce Rosso
赤/750ml

Le Capannacce Rosso.jpg

彼らの土地への愛情が詰まった上級樽熟ワイン

モンテフィアスコーネの標高450mの畑。

9月中旬に手摘みで収穫、グラスファイバータンクで自然酵母発酵、7日間マセラシオン、ジャンマルコから貰った古い大樽で12ヶ月熟成。無濾過、無清澄。瓶詰め前にSo2無添加。

「カパンナッチェ」は、ワイナリーがある地域を指した名称で、愛着のある場所に敬意を評して命名。プルーンの濃厚な香りに山椒のニュアンスリキュール感を感じる熟成感。

カパンナッチェはワイナリーがある地域を指した名称で愛着のある場所に敬意を表して命名。

ジャンマルコから譲り受けた樽を使用したワイン。

グレケット・ロッソ100%

澱を連想させる複雑で熟成感のある深く力強い香り。

熟したオレンジ、リキュール、山椒のニュアンス。

滑らかな果実感でエレガント。細かいタンニンで非常にバランスが良く、一体感があります。

イル・ヴィンコの他のワインとは明らかに一段ステージが上がった味わい。

                

IMG_2487.jpg
IMG_2261.jpg
bottom of page