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Gabi ガビ

ナチュラルな醸造と現代的な若い感性が合わさった独自の世界観

イタリア フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州 トリエステ

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トリエステのカルソとスロヴェニアの国境付近に位置する小さなワイナリー「ガビGABI」。

まだ30代の若き当主ガブリエルは父から受け継いだ樹齢80年以上の古木の葡萄を用いて独自のスタイルのワイン造りを行っています。ガブリエルが活動を始めたのは2010年から。生産本数は5,000本に満たない超少量生産です。

ワインの展示会などには一切参加をしていなかった為にまさに隠れたワイナリーでした。国外への輸出も生産本数の少なさ、輸送中のワインの状態への心配もあり消極的でした。

偶然が重なり2022年に彼のワインと出逢った会ったことでトレジャーが初めての国外輸出のインポーターとなりました。

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ガブリエルはトリエステ大学の工学部で通っていましたが、15年前に父親が他界した時に残った畑や家族の事を考え、友人からの後押しもあり、全く違う方向のワイン造りをする決意をします。その時はほとんど悩むことなく自然に決断できたそうです。交換留学制度を利用してボルドー大学に移籍。ワイン醸造の基本を学びました。2011年には500~600ℓのワインを自分で仕込み小さな一歩を踏み始めます。

追僅か1.5ヘクタールの畑は自宅兼醸造所からも非常に近く、トリエステの中心街から車で20分ほど。東側にヴィトフスカで有名な「カルソ」が隣接しており、さらに奥にはスロヴェニアがあります。ガブリエルはこのエリアを「政治的にはイタリアですが、精神的にはスロヴェニア」と語っていました。カルソとは明確な土壌の違いがあり、石灰岩ではなく「フリッシュ」と呼ばれる石灰を含まない砂岩や泥岩などの割れやすい石が多量に含まれる粘土質の土壌です。無農薬でフカフカの畑には80年を超える老木が並び、あまりにも小さすぎてトラクターが通らない為、全て手作業で葡萄は栽培されます。アドリア海からの影響と東側のカルソから降りてくる山水のおかげで水分を確保できる利点がある特有のテロワールです。

 

山道の途中にある小さく狭い坂道に家が点在する場所。そこにカンティーナがあります。完璧なガレージワイナリーという小ささですが、コンパクトに上手にタンクを収めており、おそらくトレジャーのワイナリーの中ではカンティーナの最小面積記録だと思います。フリッシュでできた岩に囲まれたガレージは岩の中を天然の水が流れ、セラー内にある井戸の水のおかげで1年中ワイン醸造に適した温度と湿度が保たれています。

ワイン醸造は自然酵母による発酵、So2は必要最低限の使用に抑えられています。葡萄品種はカルソと同じくマルヴァジア、ヴィトフスカ、レフォスコ(カルソでは”テッラーノ”)を中心に栽培。そして戦後間もないころにピエモンテの軍人たちが住み着いたことにより伝わったバルベーラも使用します。カルソとは異なるフルーティーで輪郭のはっきりとしたジューシーな果実感。品種由来のアロマティックで香り高い白ワインとクランベリージュースのような飲み心地が表現された赤ワインは、他のフリウリやスロヴェニア生産者とは少し違う独自性を感じさせ、明るい親しみやすさを飲み手に与えてくれます。

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また、彼のワインはスクリューキャップにしているのも非常にユニークです。木製コルクのブショネのリスク、熟成後の味わいの変化などにおいてガブリエルはスクリューキャップが優れているという考えを持っています。2016年から彼は毎年必ずニュージーランドのワイナリーへ研修に行っています。自身とは真逆の大きなワイナリーですが、彼らの仕事の中に自分のワイン造りに活かせる部分があるという考えがあり、その一つがスクリューキャップだったのです。そして何よりガブリエルはニュージーという国が大好きみたいです。

 

父の死のあと、ボルドー、ニュージーで学んだ経験をもとに構築された彼のワイン醸造理念は、自然な魅力と現代的な若い感性が合わさった独自の世界観に昇華されました。彼の明るくフルーティーなワインはこの地の今までの雰囲気を覆すような独自の美味しさ。母マリアは立派になったガブリエルの姿をみせて上げたかったと感慨深そうでした。焦らずに1歩づつ着実に歩もうとしているガブリエルの成長をトレジャーも見守っていきたいと思います。

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ガーデル
Gardel
白/750ml

まろやかで温かみを感じる独自のヴィトフスカ

葡萄の樹齢は80年以上。自然酵母で発酵。ステンレスタンクで数時間の短期マセラシオン。

そのままステンレスタンクで熟成。

ヴィトフスカというややシリアスでシャープな品種としては温かみのある独自の表現。

飲み柔らかさを持っており飲み手に対して友好的な美味しさ。

ヴィトフスカ100%

 

スタートは鉱物感の中にグレープフルーツをほのかに感じます。

徐々に変化していき、スズラン、カモミール、ライチ、ジャスミンなどのエキゾチックな香りが出てきます。カラメルのような芳ばしく甘い雰囲気があります。


果実味はヴィトフスカとしては丸みがあり柔和な質感。酸が尖らずにまろやかでボリュームも感じられ、余韻に甘くビターなコクがしっかりと持続していきます。

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ベル・カプリオーロ
Bel Cpriolo

白/750ml

フリウリ土着品種の豊かな個性がギュッと詰まった新感覚

粘土質主体のフリッシュ土壌。葡萄の樹齢は80年以上。9月中旬に収穫。

ステンレスタンクで自然酵母による発酵。マセラシオンは約3日以内。

ステンレスタンクとロースト無しの大樽で12ヶ月間熟成。ノンフィルターでボトリング。

マルヴァジア・イストリアーナ50%、ヴィトフスカ15%、モスカート・ジャッロ15%、

 トカイ・フリウラーノ&リボッラ・ジャッラ20%

 

パイナップル、アロエ、ハネデューメロン、レモンの皮、タンポポ、プーアル茶などの豊かでアロマティックな明るくエキゾチックな香り。

丸みのあるフレッシュだけど柔らかい少しトロリとした豊潤で明快な果実味。

バランスの取れた張りのある酸味が活きており、重くない馴染みの良い美味しさ。

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チンギアーレ・イン・フーガ
Cinghiale in fuga
赤/750ml

クランベリージュースのような華やかフリウリ・ロッソ

粘土質主体のフリッシュ土壌。葡萄の樹齢は80年以上。9月下旬に収穫。

ステンレスタンクで自然酵母による発酵。マセラシオンは15日間。

ロースト無しの大樽で12ヶ月間熟成。ノンフィルターでボトリング。

レフォスコ70%、メルロー20%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%

濃く甘いクランベリージュース、ラズベリー、ローリエ、ナツメグ、ラベンダー、ほんのり甘い紅茶。ミントなどのハーブが合わさった濃いのに爽やかで華やかな香り。

ギュッと引き締まった果実味とキレのある酸味。まさにナチュラルクランベリージュースのようですが、余韻にしっかりと旨味とコクが感じられます。爽やかな酸味で飲み疲れがなく、料理も呼び込む理想的な味わい。

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