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Ca ' del Conte カ・デル・コンテ

超越したオルトレポ!生命力に満ち溢れる独創的なワインと絵本の世界観

イタリア ロンバルディア州 リヴァナッヅァーノ・テルメ

ロンバルディア州パヴィアにワイナリーを構え、当主パオロの両親からの畑を引き継ぎ2003年にワイナリーを設立、2012年に元詰めを開始した小さな生産者。自然のリズムと調和、未来の子供達に残せる自然環境を守ろう、という考えを持ち、無農薬栽培を貫いています。2017年にビオロジックの正式な認証も取得しました。

 

30年間体育教師をしていたパオロは、とてもエルギッシュな男です。年齢は64歳ですが、元気に畑の仕事、醸造を兼任しています。教師時代にはボスニア等の戦後復興支援やボランティア、発展途上国での開発支援などに参加し、イタリアという国を飛び越え、パワフルな人生を歩んできました。穏やかでユーモラス、会話にたくさんのジョークが混じる陽気で自由な雰囲気の男ですが、彼の畑への考え方、行動力、説得力のある説明は今までの人生を強く生きてきたのだと感じさせます。

 

ワイナリーではナチュラルでおいしいワインを生み出す事に加えて、葡萄栽培を通してパヴィアの自然環境が健全になる事を目指しています。パオロは昔から「無知と戦ってきた」と言いました。知らないことは恥ずべきことではないが、知ろうと思わないことは愚かだと考えています。様々な経験を積んできてもなお現在は葡萄栽培、醸造を学び、他の物事にも強い関心を示す事を継続しているのです。話し方や立ち振る舞いを見るだけで彼が魅力的な男だと十分に解ります。

 

ユニークなエチケットがとても魅力的な彼のワインですが、このデザインは友人の絵本作家の「マルゲリータ・アッレーグリ」に描いてもらっています。個性的なおばさんとおじさんが印象的です。これは自分達の育てているブドウ樹をそれぞれイメージしており、樹齢を人の年齢に合わせて外見も描かれています。約40年の樹齢のブドウ達と付近を見てパオロは「僕のおばちゃん達は今日も元気だ!」とユーモラスに話していました。葡萄への愛情が表れた楽しい表現だと素直に思います。
 

栽培品種は主に、シャルドネ、ピノネロ、リースリング、ピノグリ、ピノビアンコがあります。パオロが個人的に好きな品種である
「ティモラッソ」も近年になって栽培が開始されています。エリアとしてもトルトーナに近いとはいえ、ロンバルディア州でこの品種を醸造する事はとても興味深いです。

所有する畑はワイルドで生命力に満ち溢れています。標高370mに位置し、なだらかですが角度があり日照条件にも恵まれています。

畑内には葡萄以外の植物をあえて共生させています。極端に増やそうとしなければ自然な範囲内での共生は土地に良い影響を与えると考えているからです。

畑の真横には森があり、その森のおかげで虫や病害などのリスクが軽減されているそうです。土壌個性は基本的には粘土質ともろい石灰を含んでおり、樹齢の高いエリアはより粘度が強く、葡萄に力強さをもたらします。
 

ワイン醸造学は基本的に独学ですが、ナチュラルなワインにインスパイアされてワイナリーを始めた為、亜硫酸を極力抑えたワイン造りを行います。

 

 

 

白ワインには驚く程の果実味が備わっており、非常に充実した味わいです。長いマセラシオンをしているからではなく、葡萄自体がとても良い状態であるからこそ、この充実感が出るのだと思います。

 

反してピノネロはマセラシオンを短く終えているので、品種の重くないチャーミングな側面が生きたワインとなっています。ダシ感のある果実味と勢いを感じますが、重くなく優しい、まさにナチュラルな赤ワインの理想という出来栄えです。品種的にはオルトレポーにも使われる品種を多く使用していますが、付近のワインとは明らかに一線を画す出来栄え、畑や土地への愛情とナチュラルなワインへの情熱が一体化したワインと言えるでしょう。

 

教育者、そして戦後復興支援など強い道徳心を持って生きてきたパオロ、そんな彼のユーモラスな感性が合わさったワインはこれからも私たちを楽しませてくれるでしょう。

 

 



 

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ピビブム

ピノ・ビアンコ爆弾!

スティルワインとして醸されていたピノ・ビアンコから誕生したワイン。醸造工程中でうまく発酵しきらず、どうしようかと考えたパオロは、収穫時冷凍保存していたシャルドネのモストを加えて瓶内二次発酵を行いました。その試みは成功し、カ・デル・コンテ初のスパークリングワインが誕生しました。正式な醸造データがもらえていないのですがベースのピノ・ビアンコはおそらく数十日マセラシオンしていると思います。亜硫酸も無添加でしょう。偶然が生んだ良作です。

ピノ・ビアンコ100%

香りは意外にも爽やか!クリスピーな酵母の香り、洋ナシや植物的な香りが感じられます。

味わいもしっかりとドライで酸がしっかりとありますがほんのり甘酸っぱい果実感。飲み心地が良くサクサクと飲めてしまいます。澱がしっかりと含まれていて旨味をダイレクトに感じることができました。

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フィエスタ

陽気でキラキラ光るようなピノ・ネロ・フリッツァンテ

スティルワインとして醸されていたピノ・ネロから誕生したワイン。ピピブムと同じく醸造工程中でうまく発酵しきらず、収穫時冷凍保存していたシャルドネのモストを加えて瓶内二次発酵を行いピピブムの兄弟スパークリングワインとして誕生しました。こちらも正式な醸造データがもらえていないのですがベースのピノ・ネロはおそらく24~48時間マセラシオンしていると思います。亜硫酸も無添加。昔造られていた「アゾール」と「ペルテ」のフリッツァンテ版。

ピノ・ネロ100%

野イチゴ、土を思わせるワイルドなナチュラルストロベリージュースのような心地良く新鮮な香り。

果実はしっかりとしていてコクがありこちらもほんのり甘い余韻。

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​オプルス

熟れた果実味感がたまらない30日間マセラシオン

オプルスとは畑の支柱である「カエデ」の意。ピノ・ビアンコとシャルドネの2種合わせて造られます。9月上旬に手摘みで丁寧に選果しながら丁寧に収穫。品種ごとにプレスされ、ステンレスタンク内で天然酵母で温度コントロール無しで発酵、皮と一緒に30日間の長期マセラシオンを行います。

発酵完了後にアッサンブラージュされ、ステンレスタンク内で約9ヶ月間熟成されます。

ボトリングはノンフィルターで行われ、全ての工程でSo無添加。

ピノ・ビアンコ60%、シャルドネ40%

マンダリンオレンジ、杏子等の熟した果実のボリュームのある香り、蜜、セージが次第に顔を出します。

充実した果実味とほのかなタンニンがあり、重く無いが非常に密度の高い味わい。

自然な旨味が口の中に広がりブドウ自体の状態の良さがしっかりと反映されています。

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フェニーチェ

葡萄からワインへの転生”不死鳥”という名のワイン

イル・カステレット(小さな城)という石灰を多く含む標高320mの畑で育った樹齢41年のシャルドネを100%使用。フェニーチェとは「葡萄がワインに生まれ変わる」という考えから。

9月上旬に手摘みで丁寧に選果しながら丁寧に収穫。

ソフトプレス後ステンレスタンク内で30日間マセラシオン。

ステンレスタンク内で約9ヶ月間熟成されます。

ボトリングはノンフィルターで行われます。So2無添加。


シャルドネ100%


完熟リンゴやドライハーブ、硬質なミネラルの雰囲気。

石灰質の特徴を強く感じます。ピュアで穏やかな以前とは違う魅力を持った雰囲気。


洗練されたしなやかで淡い中に芯のある果実味。

じんわりと自然な旨味を無理なく味わう事ができます。

樽も果皮も使わずに自然な旨味を押し出した希少なシャルドネ。

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ノア

嵐の後の渇き

ノアとは「嵐の後の渇き」を意味します。神話ノアの箱舟から。

フェニーチェの畑もある石灰豊富な僅か1ヘクタールのミクロクリマ、リヴァナッツァノ・テルメでパオロは最も興味を抱いていた品種への探求心から2015年に植樹されたティモラッソを使用。9月末に手摘みで収穫。ステンレスタンクで自然酵母発酵。温度管理無し。

マセラシオンは約1ヶ月間。その後約1年間ステンレス熟成。ノンフィルターでボトリング。

So2無添加。大量の果実味に圧倒されます。


ティモラッソ100%

ヘーゼルナッツ、アプリコット、メープル、蜜蝋、スパイスが溶け込んだ深く複雑な香り。


甘く芳醇なたっぷりの果実味、スパイシーでタンニンと旨味とタルトのような甘い風味が口の中に溢れます。

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ヌーヴォラ・ビアンカ

オルトレポー唯一のピノビアンコ

ヌーヴォラ・ビアンカは「白い雲」という意味。

エチケットにはおデブのイラストが、彼の願望を入れ込んだ雲と一緒に描かれています。

シャルドネとリースリングは樹齢40年の石灰を多く含む層、ピノ・ビアンコは樹齢13年の泥質に少しの石灰。9月上旬収穫。ステンレスで自然酵母発酵、マセラシオンは40日間。

その後フランスオークの古いバリックで8ヶ月間熟成。ノンフィルター。

オルトレポー・パヴェーゼで唯一のピノビアンコを使用したワイン。

このワインで彼らが表現したかったのは、環境に対するリスペクトです。

その思いがエチケットの雲の中に描かれています。So2無添加。


ピノ・ビアンコ50%、シャルドネ40%、リースリング10%

完熟したアプリコットのような甘くスパイシーな濃密な香り。


濃厚で甘美なとろけるような果実味とビターで密度の高い余韻。

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アストロピノ

これを飲めば宇宙まで飛べるかも、ぶっ飛んだピノ

イル・ボスコの畑で採れた樹齢37年のピノネロ100%使用。

アストロピノとは「宇宙のピノネロ!」という意味。

それぐらい突き抜けた出来栄えのピノという気持ちから名付けられたそうです。

収穫は9月末~10月初旬。手摘みで丁寧に収穫されてプレスされます。

プレス後ステンレスタンク内で天然酵母で温度コントロール無しで発酵、3ヶ月の長いマセラシオンを行います。その後6ヶ月間プラスティック製樽内で熟成されます。

ノンフィルターでボトリング、全ての工程でSo2無添加。

ピノネロ100%

野生の赤い果実を濃縮したような深いベリー香。

土やスパイス香の合わさった鮮烈なアロマ。以前のような野性味は控えられ明るい表情に。

一般的なピノとは趣の違うジューシーで豊潤な果実味。

しつこさはなくしっとりとしたアフター。

地域特有の”濃さ”はありまうが、ナチュラルな醸造による唯一無二な美味しさ。

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